ジェイウォーク(Jウォーク)という言葉を聞くと、「何も言えなくて…夏」(1991年)の曲を歌った 音楽グループ THE JAYWALK(ジェイウォーク)を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。…名曲ですが、ちょっと時代をワープし過ぎましたね。
懐かしのメロディーの話はさておき、本ページでは「最新の道路横断のルール」(法律)のお話をしたいと思います。
罰金なんと130ドル!
ハワイ州では、横断歩道のないところで斜め横断(=ジェイウォーキング)すると、なんと罰金130ドルが科せられます(州法による罰則)。赤信号を渡るのも(信号無視)、Jウォークと同じ扱いです。
つい数年前は55ドルだったのに、70ドル、130ドル … 。交通事故件数が増える一方で、ルールを守らないジェイウォーカー が後を絶たないので、金額がどんどん上がっています。
この $130 は、もちろん 1人当たりの罰金 です。家族3人でジェイウォークすれば、130ドル×3=390ドル、家族5人なら 650ドル。「罰金があるから違反しない」ということではありませんが、気を付けたいところです。
つまり、「ちょっとぐらい・・・」の気持ちが大変な事態(交通事故や罰金)を引き起こしますので、必ず横断歩道まで行ってから渡るようにしましょう。
見張り率の高い場所(私見)
街角には、制服を着た警官が監視しているのはもちろんですが、私服警官(制服を着ていない)も見張っているそうです。見た目だけじゃ判断できません。また、巡回しているパトカーに取り締まられることもあるようです(NO PED XING = No pedstrian crossing : 歩行者横断禁止 の意味)。
ルールを守りさえすれば、何もビクつくことはありませんが、そうはいっても、ある程度のアンテナは張っておきたいものです。巷で “取り締まりが多い” とささやかれている場所を挙げてみます。
まず、ワイキキ、アラモアナといった「観光客がごった返しているエリア」です。警官も観光客だけをターゲットにしているわけではありません。とはいえ、私達日本人を含め、やはり自国の感覚で行動しがちです。また「観光客エリアは、(気が緩んで)交通の秩序が乱れやすい」というのも 確かにあると思います。
次に、カイルア や カカアコ といった「街も開けていて、観光客も増えてきているエリア」です。カイルア・タウンは、少し前から観光客が激増しています。また、カカアコは、人気のレストランなど、最新流行のホットスポットになっています。警官の目がキラリと光っています。ご注意を。
そして、ダウンタウンのなかでも 特に「官庁街」のエリア、こちらも要注意スポットです。この周辺は、車のスピードも比較的速く、昔も今も事故が多発している地域です。そのため、警官もピリピリして見張っているとのことです。観光スポット絡みで申しますと、「イオラニ宮殿」や「ハワイ州立美術館」などが立地している場所です。
これらは、あくまでも一例です。車が走っていない道路でも、警官に見つかれば、その場で取り締まられます。ちなみに、警察が叫んできたら(拳銃を持ってますので)とりあえず言うことを聞いたほうが無難です。
信号点滅後の歩行もNG
歩行者用の信号が点滅し始めてから横断歩道を渡った場合も、信号無視と同じ扱い(取り締まりの対象)になります。日本国内ですと、時々やってしまいがち!?ですが、確かにこれも「それなりに危ない行為」ですので、違反切符を切られても仕方がないですね。
ちなみに、ハワイでは、「歩行者信号の点滅後など、歩行者が完全にいなくなったら、その隙に左折する」(日本でいうところの “右折”)というルールになっています。
日本も同様に「歩行者が完全に渡り切ってからでないと走行してはいけない」ことになっていますが、ハワイではそのルールがより厳格化(車と歩行者の双方のルールが厳格化&厳罰化)されています。
歩行者信号が点滅してからも するずると横断されたら、(交差点によっては)いつまでたってもクルマが左折できない状態になってしまいます。ご注意ください。
押しボタン式信号が多い
ホノルルでは、「押しボタン式の信号」が結構あります。ボタンを押さないと、待てど暮らせど青になりません。しびれを切らして赤信号を横断することの無いよう、しっかり押しましょう!ちなみに、反応が悪そうなボタンは、2~3回押しておくと安心ですね。
なお、「ホノルルでは 押しボタン信号の先頭に立つ人が既に押している」のが常識になっています。アナタが たまたま “信号待ちの先頭” になって、うっかり押していないと、他の歩行者からブーイングを受けます。「ボタン押してないのに、みんな青になるのを待ち続ける」という、どっかの爆笑コントみたいな事態になります(実際には笑えませんが…)。ご注意ください。
「道路横断中の歩きスマホ」も違反の対象
歩行中に関する法律(ホノルル市郡の条例)をもうひとつお伝えします。
2017年10月に市郡の条例が改正され、「道路横断中に歩きスマホ」をした場合は、罰金が科せられることになりました。ご注意ください。
厳密には、スマートフォンだけでなく、ゲーム機、タブレット、ポケットベル?、ノートパソコン(ラップトップ)、デジカメなども対象になります。景色に見惚れて「横断中に スマホで街並みを撮影」も完全にアウトです。
罰金は、1回目の違反で 15ドル~35ドル、1年以内に2回目の違反をしたら 35ドル~75ドル、3回目の違反で75ドル~99ドル になります。最大で99ドルまで罰金が科せられるそうです。
ただし、緊急電話番号(911)への電話は処罰の対象外で、また イヤホンを付けながら(視線を下に落とさず)横断歩道を渡るのは違法行為になりません。
ここ最近、ホノルルでは歩行中の交通死亡事故が激増しているため、車と接触するリスクの高い「道路横断中」の行為を規制することにしたそうです。
ジェイウォーキングの由来
ジェイウォークの話に戻ります。ジェイウォーキングの「Jay」(ジェイ)とは、「田舎者、お上りさん、素朴、馬鹿、ま〇け、だまされやすい人」を表すスラング(俗語)です。大元は、古フランス語(後期ラテン語)の Gaius / Gaia で、この言葉が変化したものらしいです。
昔は「田舎から出てきたばっかりで、信号の存在を知らないで信号無視する人」のことを Jay(ジェイ)といったり、「道路の反対車線を馬車や自動車で走らせる人」のことを Jay-drivers(ジェイドライバー)と言ったりしていたそうです。
アメリカでは『 ing 』を付けて「ジェイウォーキング」(Jaywalking)という言い方が主流になっています。日本では、冒頭のバンド名の影響もあってか、” Jウォーク”(ing を付けない)と表現されたり、イギリスでも ing を付けない言い方をする場合もあるようです。
ちなみに、「突然方向を変えてくるっと曲がる様子が『アルファベットの J 』の字形に似ているから」との説があるようですが、おそらく これは日本人がオリジナルで考えた「後付けの理由」だと思われます。
参考:他の都市/他国の取り締まり状況
アメリカでは、大半の都市(州)で「ジェイウォーキング」(Jウォーク)に関する法律があるようなのですが、実際に「見つけたら その場で違反切符!」という都市は あまりなく、ホノルルやアトランタなど、ごく一部の都市に限られているようです。
イギリス(イングランド、ウェールズ、スコットランド地方)では、高速道路などの自動車専用道路を除き、歩行者が道路を横断することについての規制は特に無く、『個人の責任』と捉えられているそうです。
一方、カナダでは、トロントやモントリオールなど、各自治体レベルで規制しているそうで、罰金も15ドル~700ドルまで幅があるようです。