フォスター植物園(Foster Botanical Garden)は、ホノルルのダウンタウンにある植物園です。ホノルル市郡が管理・運営する5つの植物園の中で 一番の大きさ を誇ります。
同植物園は、「無料の公園と異なり、手入れが行き届いている」「外部とゲート&柵で区切られていて、安全にゆったりと観賞できる」「都会の中心とは思えないような森林や庭園が広がり、身もココロも癒やされる」「植物の数は1万種以上」など、数々の魅力を持ち合わせています。
近くには、ハワイ出雲大社もありますので、植物園へ行った帰りに参拝するのもいいですね(距離は約400m、徒歩5分程度)。
「都会のオアシス」ともいえるフォスター植物園の概要・特色、見どころ・魅力、楽しみ方のコツなどについて、本ページで詳しくご紹介したいと思います。
なお、行き方につきましては、「フォスター植物園への行き方(アクセス)」のページで特集しました。バス、トロリー、Biki、レンタカーなど、乗り物別に解説しました。
フォスター植物園の特徴
フォスター植物園は、ホノルルの中心部に位置しながら、5.5ヘクタール(5万5000㎡)もの広さを誇る大きな植物園です。
東京ドームに換算すると、1.2個分です。「なんだ、小さいじゃん!」と感じる方もいらっしゃるかと思います。確かに “超ビッグ” なサイズではないのかもしれません。
それもそのはず、元々ココは「個人邸宅の庭」だったんです。ドイツ人医師であり植物学者でもある ウィリアム・ヒレブランド(William Hillebrand)が、1853年に カラマ王妃(カメハメハ3世の妻)からこの土地を購入し、1871年にドイツへ戻るまで 約20年近く暮らしていた場所です。おうちの庭なら、むしろ驚くほどの広さといえますね。
彼は、この地を 生活の拠点 とする一方で、南国の木々を植えたり、鹿 や ミナの鳥 を放したりする等、自然豊かな森 も作り上げていきました。現在、同植物園で巨木となっている木々の大半は、ヒレブランドが植えたものです。
その後、トーマス・フォスターが購入し、更に様々な木々を植え、現在の植物園の原型ができました。フォスター夫妻の死後、同地は ホノルル市郡 へ寄贈され、現在の市営(郡営)植物園となりました。ホノルルで「最も古い公営植物園」の誕生です。「フォスター」の名前は、善意で提供してくれた夫妻(及び遺族)に敬意を表しているんですね。
カピオラニ公園(特集記事)やモアナルア・ガーデンなど、ホノルル市街地の公園はモンキーポッド や バニヤンツリー が植えてあるイメージがありますが、フォスター植物園は それらの木々にとどまらず、1万種以上の多種多様な熱帯植物を見ることができます。
フォスター植物園の見どころ
同植物園の第一印象は、どちらかというと緑あふれるダイナミックな自然公園といった感じです。特に、熱帯地域の巨木が 迫力ある存在感 を放っていて、訪れる人をクギヅケにします。
世界の熱帯地域から様々な品種を取り寄せて植えているのですが、100年以上の時を経て、大地にしっかりと根を張っています。実際に足を運んでみると、「この年数&歴史」が「重みのある景観」を生み出しているんだなということがよくわかります。
大砲の玉のような身をつける キャノンボール・ツリー(砲丸木)、黄緑・オレンジ・赤・紫などの色をした樹皮が美しい レインボーツリー(ユーカリの仲間)、世界で一番背の高い木といわれる カリブ・ダイオウヤシ、ゾウさんの足のような太い幹の バオバブの木、甘いレモンの香りがするプルメリア など、世界の熱帯地域から集められた珍しい大木に圧倒されます。
また絶滅寸前の植物や、美しい蘭の花、ハワイ固有の植物、屋外のバタフライ・ガーデン(蝶が集まる花々を植えた庭園)、パームガーデン、熱帯植物を集めた温室、ソテツのガーデン なども楽しめます。
カラフルな鳥たちも 沢山見ることができます。カメラやビデオを片手にバードウォッチングを楽しめます。仮に 木々に隠れて 姿が見えづらくても、鳥のさえずりはしっかり聞こえますので、とてもリラックスした気分になれます。
同園付設のおみやげ屋さん(Foster Garden Gift Shop)もあります。植物にちなんだアクセサリー、小物、バッグ、ポストカード(絵葉書)などのおみやげを買えます。変化球に富んでいて楽しめます。ミネラルウォーターなどのドリンクも買えます。
日系移民100周年を記念して神奈川県から寄贈された大仏(鎌倉の大仏)もあります。大仏といっても、人間の2~3倍くらいの大きさで、小ぢんまりとしています。写真にすっぽりとおさまるサイズですので、「バックに大仏」の写真を撮影するのも 面白いかもしれませんね。
日本語パンフレットを入手!
チケットを購入する際は、「日本語のパンフレット」をもらう方がベターです。というのも、「自然豊かな森」のようになっている反面、解説や補足説明が無いと「珍しい植物の数々」を見過ごしてしまうからです。
パンフレットには、どこに何が植えられているかを示しているだけでなく、その植物の概要や特徴なども「1項目に 4~6行くらいのスペース」を使って詳しく解説しています。白黒のコンパクトなパンフレットですが、丁寧さは抜群です。実際の鮮やかな色は、園内の散策で確認できます。
日本語の解説があるだけで、植物園の全体像をクッキリと映し出すことができます。単なる緑にしか見えなかった木々の名前がわかり、一気に面白みが出てきます。同園に対する印象も随分と変わります。
毎日無料のガイドツアーあり
毎日1回、午前10時30分より、無料のガイドツアーを実施しています(スケジュールは 2019年7月現在)。以前は午後から実施していましたが、時間帯が午前に変更されました。
所要時間は、約1時間~1時間半くらいです。ただし、英語によるガイドツアーです。英語に自信のある方は、チャレンジして参加してみるのもいいかもしれませんね。
ガイドツアーは、予約を推奨しています。HPに「ツアー希望の方は電話連絡してください」との記述もあります。ドーセント(ボランティアのガイドさん)の予定もあるのかもしれません。当日 行けるかどうか確約できない場合は、入園してからに相談(申し出)してみるといいですね。
入園料・開園時間・駐車場
入園料(入場料)は、大人 5ドル、子供(6~12歳)1ドル です。ハワイ長期滞在者の方(カマアイナ。身分証が必要)は 3ドル です。
開園時間(営業時間)は、午前9時~午後4時です。休園日は、クリスマス(12月25日)と元日(1月1日)のみです。
無料の駐車場もあります。同園は混雑する施設ではないので、満車になる可能性は低いようです。駐車場入口は、ノース・バインヤード・ブールバード(正面の道路)側にあります。
なお、園内にレストランやカフェはありません(道路を挟んだ向かいには、ハワイのファミレス「ジッピーズ」や、タイ料理店、ピザ屋、メキシコ料理店などがあります)。
注意事項
園内の注意事項
園内を観覧中に、突然 枝などが落ちてくる場合がありますので、頭上に注意してください。むき出しになった蔓(つる)や根っこに引っ掛かることもありますので、足元にも気を付けてください。
園内の植物は、触らないようにしてください。また、「有毒植物」も展示してありますので(植えてある)、果実や花などを口に持っていくのは絶対にやめてください。安全確保のため、お子さんの行動(触る、食べる、なめる等)には、特に注意を払ってください。
植物園周辺の注意事項(治安面)
フォスター植物園は、冒頭にも記載しましたが、ホノルルの中心エリアである「ダウンタウン地区」に位置しています。また、植物園の南側には チャイナタウン が広がっています。
このエリアは、日中は危険性をあまり感じません。バインヤード・ブールバードは、明るく開けた大通りですし、ダウンタウンには賑やかなエリアもあるくらいです。しかし、夜間(日没後)になると、突然 危険の漂うエリアに変貌します。
このため、フォスター植物園やハワイ出雲大社の周辺を散策する場合は、午前中や昼間など、明るい時間帯に行かれるようにしてください。
また、なるべく見通しの良い大通り、例えば「ノース・バインヤード・ブールバード」や「ノース・ベレターニア・ストリート」など、人通りの多い道路を歩くようにした方が より安全です。近道だからといって「チャイナタウンの裏通り」などを通り抜けるのは、なるべく避けた方がいいです。
周辺の公園はホームレスの溜まり場
フォスター植物園は、有料の公園ですので、ホームレスなどは入ってきません。完全防備の柵ではありませんが、外界と隔絶されていて、安全に過ごせます。
しかし、フォスター植物園の北側にある「リリウオカラニ・ボタニカル・ガーデン(植物園)」は、無料の公園ですので、ホームレスがうろついていることもあります。
同じ「植物園」という名前が付いていても、治安状況は全く異なります。フォスター植物園に行く感覚で行かないようにした方がベターです(あまりおすすめできません)。
また、バインヤード大通り 沿い(植物園の南西)にある「カママル・プレイグラウンド(遊び場)」や、ハワイ出雲大社の北側にある「ベレターニア・コミュニティ・パーク」など、無料公園はどこも ホームレスの溜まり場になっています。ご注意ください。
ハワイ出雲大社は徒歩圏内!
フォスター植物園とハワイ出雲大社との距離は、約400m程度です(徒歩5分程度)。両方の観光スポットを巡っても、さほど負担にならないくらいの距離です。出雲大社への参拝とセットで訪れてみるのも面白いと思います。
[ 参考記事 ]
「ハワイ出雲大社で “ダブルの御利益” を頂く!」
「ハワイ出雲大社への行き方 / 帰り方」
フォスター植物園の行き方
同園への行き方は、「フォスター植物園への行き方(アクセス)」のページにまとめました。ご覧いただければ幸いです。
フォスター植物園の基本情報
フォスター植物園の基本情報・概略を掲載しました。
正式名称 | フォスター植物園 (Foster Botanical Garden) | |
開園時間 | 9:00~16:00 | |
休園日 | 12月25日(クリスマス)、1月1日(New Year’s Day) | |
入園料 | 大人(13歳以上)5ドル、子供(6~12歳)1ドル、5歳以下 無料 カマアイナ(ハワイ居住者 – 身分証必要)3ドル |
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他の施設 | ギフトショップ 1店、トイレ 2ヵ所 | |
住所 | 180 N. Vineyard Blvd. Honolulu, HI 96817 | |
代表電話番号 | (808) 768-7135(ガイドの予約番号もこちら) | |
公式サイト | https://www.honolulu.gov/parks/hbg/…(ホームページが重くて表示されないことがあります) |